はじめに


以下の記述からおわかりいただけるように、1.長い住民運動にも関わらず、国交大臣は、京成電鉄の申請をそのまま認可してしまいました。2.公共交通機関の運賃体系として、また、異なる会社間の線路使用料の契約として、その内容は、不合理・不公正なものです。
政治の場で問題の解決が図れないなら、司法の場で解決の道を探ろうとして、「北総線値下げ裁判の会」を組織し、住民が立ち上がりました。


北総線運賃の値下げ運動の経緯
白井市議会の判断
運動の結果分かったこと
裁判で国を訴える

 北総線運賃の値下げ運動の経緯(抜粋)


2000年10月には、64,000筆の署名を添えて関係省庁に陳情し、国会での質問に鉄道局長は「当面値上げはしない」と答弁し現在に至っています。それ以後もニュースを発行し値下げを訴えたり、県への働きかけ、2市2村(印西・白井・印旛・本埜)への陳情、北総鉄道への葉書での要請運動、各駅前に大型看板設置、さらには通学定期の助成を2市2村へ求める、講演会開催など次々と手を打ってきました。2005年には2市2村による「通学定期25%助成制度」が5年限定でつくられ、通学定期に苦しむ保護者たちへの朗報となりました。

そして、「2010年には成田新高速線が空港へ通じる」ことが明らかとなり、「空港線の電車が走れば当然、大幅な値下げが期待できる」「今度こそ大幅値下げ=京成線本線と同じ運賃」を目指して、10万署名運動を展開しました。その結果2008年8月には107,000筆もの署名を携え、超党派の県・国会議員の後押しの下、国交大臣陳情を実施し「不公正な運賃であってはならない」との心強い返事をもらいました。

ところが、千葉県が主導し、2009年11月、「沿線自治体と県の拠出を前提とした、たった5%弱の値下げ」で合意され、運賃値下げ運動を進めてきた人たちは勿論、多くの住民は「こんなものは値下げではない」との怒りを表明しました。

2009年12月に京成電鉄が申請した「成田新高速線の上限運賃認可申請」は、現行北総線の高運賃=近距離激高・遠距離逓増の運賃をそのまま引き継ぐものでした。住民の怒りが爆発したことは言うまでもありません。年が明けて開かれた運輸審議会の公聴会では、多くの住民が様々な角度から、問題点を指摘しました。京成の申請運賃がそのまま認められるとはとても思えませんでしたが、疑問への回答らしきものもないままに、2010年2月には申請どうり答申され、翌日には認可されてしまいました。問題点を指摘した公述人にとっては信じられない結果でした。

北総線運賃の値下げ運動の経緯(全文)


 白井市議会の判断


市長は、2009年11月、市議会の「慎重に対処せよ」との決議にもかかわらず、県主導動の合意案に同意しました。その同意を実行するため、2010年度予算案に北総鉄道への補助金を計上しました。
市議会は、大変長い議論の末、補助金を削除して残りの予算を承認しました。
しかし、県から合意の実行を迫られ、市長は、6月議会に補正予算として北総鉄道への補助金ともう一件の財政支出を抱き合わせて提出しました。
一度、否決されたものを再度提案する場合は、議会の理解を得るため、何らかの見直しをして提案するのが一般的ですが、北総鉄道への補助金は、3月議会への提案と全く同じ内容でした。
当然、議会の理解を得られるはずが無く、議論の末、補助金を削除して残りの予算が承認されました。


 運動の結果分かったこと(抜粋)

国交省の運賃認可後に京成が公にした北総等への線路使用料の内容をみて、運動に携わってきた者は、われとわが目を疑いました。なんと「線路使用料」という項目はあるものの、北総に支払われる実際の線路使用料といえるものはゼロだったのです。京成いわく「北総の経営に影響を与えない(北総の利益は減りもしないが増えもしないよう調整する)」「北総の乗客が京成のアクセス特急に乗り換えた乗客の運賃は当然京成の収入となる。しかしこれでは北総の経営が成り立たなくなるから、線路使用料という名目で返還する」というのです。つまり、「事業計画よりは減らしてはいるものの北総線の上を、1.6倍以上もの京成電車を走らせるのに、一円も払わないで済ませる」ということなのです。

通常他社線上を電車が走るときは「相互乗り入れ方式(線路を保有している会社が運行に責任を持ち、運賃もその会社のものとなる方式)」をとっています(つまり、線路を保有する会社は、自社に運賃収入が入らない他社の運行など承認しないのです)。ところが、京成と北総の場合、北総鉄道が京成高砂~印旛日本医大間の運行免許を持っているのに、親会社の京成電鉄がH14年に、「京成高砂から成田空港までの運行許可を申請し許可された」のです。北総線区間のように二重免許という例はきわめて例外的です。北総線上にも運行許可を得た京成は、そこを走る「自社の車両に乗った乗客の運賃は京成のものだ」とする法的根拠となっているのです。後は北総鉄道との契約によってどのように負担するかが決まるわけです。(H14年の許可時から、現在の分配が関係者の間で、約束されていたということでしょう。知らなかったのは私たち沿線住民だけだったのです。ここには国交省・千葉県・UR・京成との間での天下りと人事交流、住民を無視した暗黙の了解があったとみるべきでしょう。)

以上のことからいくつかの重大な問題点が浮かび上がってきました。

1.こんな不公正な運賃は、鉄道事業法違反ではないか
  したがって、国交省が認可した運賃は無効ではないか
    ① 沿線住民と空港利用者との極端な運賃の差は、不公正としか言いようがない
    ② 通学定期券が、25%値下げしても、京成本線の3倍もの高額となっている
    ③ 京成本線に乗った場合と成田空港線に乗った場合の運賃の差は、公平とはいえない
    ④ 北総線(5%弱割引運賃)と成田空港線の運賃が異なるのは、「同一路線で運賃が異なる」という不公正ではないか

2.不公正な線路使用料の認可は、鉄道事業法違反ではないか

3.北総鉄道の運賃体系そのものが極端な不公正・差別運賃であり、鉄道事業法違反ではないか
  (この場合、上限運賃の認可が1998年であり、「認可後6ヶ月以内の異議申し立て」という期間を過ぎているという問題もある)

4.北総と京成の関係が、親子関係にあり、今回の両社の契約が北総の株主に不利益を与えている、会社法違反ではないか


運賃値下げ運動の進むべき道

「国交省が認可しているんだから・・・・」「民間会社同士の契約だから・・・」ということになると声を大きくしていくだけでは、打開しきれない権力の壁を感じます。でも消費者の立場を守るという法的裏付けも強まっているという追い風もあることでもあり、もう一つの権力=司法の判断を仰ぐ、という道も選択されて良いのではないかと考えられます。
これまで開かれてきた集会では、「裁判に訴える気はないのか」との声もつよまり、ついに「北総線値下げ裁判の会」を立ち上げることになりました。それ以後、短時日のうちに多くの原告候補が名乗りをあげ、支援の資金も予想を超えるスピードで集められていることなど、取り組み始めた私たちの理解をはるかに超えて、沿線住民には大きな怒りが渦巻いていることが実感できます。

運動の結果分かったこと(全文)


 裁判で国を訴える

国(国交省大臣)は、成田空港線の運賃認可と線路使用料の認可を取り消せ。
「北総鉄道の運賃は高すぎるので下げなさい」と国交省(国交省大臣)が京成電鉄に命ずるように、裁判所が国交省に命令せよ。